比例的な数量関係を扱う課題を見ていると、
学習者の思考にはしばしば小さな飛躍が現れる。
例えば、次のような問題である。
家から学校まで 1600m の道のりを20分で歩くときの速さは?
この問いに対して、ある生徒はすぐに
「速さだから『みはじ』を使う」と言った。
一見すると、これは正しい方向に進んでいるように見える。
しかし、ここには一つの問題がある。
本来、この問題を理解するためには
距離と時間という 二つの量
それらの 関係
を捉える必要がある。
しかしこの場合、
生徒はその関係を十分に捉える前に、
公式の枠組みに当てはめる
という思考に移っている。
つまり、
量の関係の認知→ 推論
という過程が、
公式→ 計算
という手続きに置き換えられてしまっている。
このような思考は、問題が解けてしまう場合もあるため、
つまずきとして表面化しにくい。
しかし、
認知の段階が飛ばされたまま学習が進むと、
やがて問題の構造が少し変わったときに理解が崩れる。
比例的認知モデルは、
こうした「見えにくいつまずき」を捉えるための
一つの枠組みとして構築された。
今後、
認知の段階がどのように飛ばされるのか、
その詳細をさらに整理していきたい。
